『環境情報科学』バックナンバー[52巻4号]
『環境情報科学』52巻4号
【特集】土地問題を考える
2023年12月31日発行 B5版 110pp.
本体価格:3,300円(内消費税300円)
特集の概要
「戦後社会は,倫理をもふくめて土地問題によって崩壊するだろう」
国民的作家と呼ばれている故・司馬遼太郎氏は,対談集『土地と日本人』において,危機意識を持って上記のように論じていた。それから約半世紀が経った今日の日本では,土地をめぐるさまざまな問題が顕在化している。利用,管理がされなくなった土地が増大し,雑草や雑木が生え,土地上の建築物や工作物が荒廃し,倒壊しかかるなどの問題が各地で生じている。さらに,誰が所有者であるか判明しない土地も増えている。
本特集号では,土地を次の世代に適切に引き継いでいくための知見について,都市,農地,森林などのさまざまなフィールドを対象に,社会科学と自然科学,理論と実践など,さまざまなアプローチの観点も含めて,分野横断的に整理する。
目次
土地問題を考える
- 人口減少社会に対応した土地政策の再構築
国土交通省不動産・建設経済局土地政策課
- 私的土地所有権制度の発展と土地問題
松尾 弘(慶應義塾大学大学院法務研究科 教授)
- 所有者不明土地問題の解決を適正な土地利用・管理につなげていくために必要な視座
阿部剛志(三菱 UFJ リサーチ&コンサルティング株式会社
上席主任研究員)
- 土地の取得・開発「後」に着目した維持管理・終末期問題への対応策の構築に向けて
野澤千絵 (明治大学政治経済学部 教授)
- 空地が社会にもたらすコストとは?
中川雅之(日本大学経済学部 教授)
- 荒廃農地問題・不在地主問題の現状と対策
安藤光義(東京大学大学院農学生命科学研究科 教授)
- 農山村空間の荒廃と再生 ― 中山間地域から都市近郊地域にかけて
齋藤雪彦(千葉大学大学院園芸学研究院 教授)
- わが国の中山間地域における土地所有権の空洞化の特徴と対策
飯國芳明(高知大学人文社会科学部 教授)・山本幸生(高知県庁産業振興推進部統計分析課チーフ)
- 森林所有者不明問題と法制度 ― 林地台帳制度と森林経営管理制度創設の背景・成果・課題
笹田敬太郎(国立研究開発法人森林研究・整備機構
森林総合研究所 主任研究員)
- 景観計画による土地利用管理の可能性
小浦久子(神戸芸術工科大学芸術工学部 教授)
- 空き家の除却跡地の土地利用の実態
福田昌代・三栗野鈴菜(千葉大学大学院園芸学研究院)
- 空き地のシェアから生まれる新たな景色 ― 千葉県柏市「カシニワ制度」を事例に
鈴木亮平(特定非営利活動法人 urban design partners balloon 理事長)
- 【特集総括】これからの土地問題を考える
「環境情報科学」編集委員
連載 環境政策の最前線
- 国際化学物質管理の新枠組み
高木恒輝(環境省大臣官房環境保健部環境安全課 課長補佐)
投稿
- 研究論文 雪冷房システムの省エネルギー・CO2 排出量評価 -新潟県上越市安塚地区を対象として
水野眞子(東京工業大学 環境・社会理工学院 融合理工学系)ほか
「環境情報科学」編集委員
- 大沼あゆみ 委員長,慶應義塾大学経済学部
- 荒金 恵太 国土交通省国土交通政策研究所
- 石井 雅章 神田外語大学グローバルリベラルアーツ学部
- 下村 英嗣 広島修道大学人間環境学部
- 薗 巳晴 三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社
- 髙橋 若菜 宇都宮大学国際学部
- 高山 範理 国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所
- 藤稿亜矢子 東京女子大学現代教養学部
- 浜島 直子 環境省
- 平野勇二郎 国立研究開発法人 国立環境研究所
- 本田 智則 国立研究開発法人 産業技術総合研究所
- 松岡 俊二 早稲田大学大学院アジア太平洋研究科
- 横田 樹広 東京都市大学環境学部
連載「環境政策の最前線」担当 編集委員
- 相澤寛史 九州大学
- 大川正人 環境省
- 岡島一徳 環境省
- 竹本明生 国連大学サステイナビリティ高等研究所
- 塚原沙智子 慶應義塾大学環境情報学部
- 福島誠子 環境省
バックナンバー
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