日時 | 2020年12月18日(金)15:00~17:30 |
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会場 | オンライン |
主催 | 一般社団法人 環境情報科学センター |
後援 | 環境省、環境経済・政策学会、環境福祉学会 |
第5次環境基本計画において我が国発の脱炭素化、SDGsの実現に向けた新しい考え方として、「地域循環共生圏」が提唱され、その創造に向けての取組が推進されています
環境情報科学センターは、2021年に設立50周年を迎えますが、その記念活動の一環として環境情報科学の新たな研究分野での展開を目指して、この「地域循環共生圏の推進」をテーマとして研究の発展のための提言を行うこととしています。
本シンポジウムでは、地域循環共生圏について共通の理解を形成し、今後取組むべき方向等を明らかにすることによってその推進を図ることを目的として、まず基調講演(オンデマンド配信)で持続可能な地域社会の構築と地域循環共生圏の創造について中井環境事務次官から行政の取組みを御紹介いただきました。次に「私の考える地域循環共生圏」として実践者、研究者等の関係者の方々からそれぞれの立場でお考えや取組を紹介いただくとともに、公募によって事前に意見を提出いただいた学生や若手研究者の方々に参加いただき地域循環共生圏の現状やあるべき姿について議論を行いました。
その結果、地域循環共生圏は「開かれた概念」であり多様な捉え方が可能であるが、自立分散型の社会を目指すものであり、圏域内及び圏域間で経済循環が成立することが基礎となること、圏域のバウンダリーは、環境資源により異なるものとして重層的に捉える必要があることが示されました。また、ローカルSDGsや住民の「幸福」、地域の人口減少対策との関係も考慮するべきことも指摘されました。さらに、地域循環共生圏の促進のため、カーシェアリング等による地域内のステークホルダーの連携、地域資源としての伝統文化や人材育成・教育が重要であることや、また、支援策としてクラウドファンディングの活用、地域間の連携のためのマッチング、海外への展開等が指摘されました。
議論の結果については、今後環境情報科学センターの提言に反映させていく予定です。また、シンポジウムの概要については、「環境情報科学」で近日中に紹介します。
なお、本シンポジウムは、環境情報学術研究論文発表会の一環として開催し、会員に限らず広く一般の方も対象に公開し、合計約110名に参加していただきました。
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