『環境情報科学』最新号のご案内
『環境情報科学』54巻3号
【特集】極地の環境と極地からみる地球環境
B5版 90pp.
発行日:2025年10月31日
価格:3,300円(内消費税300円)
特集の概要
2026年,第48回南極条約協議国会議(ATCM48)が日本(広島市)で開催される予定である。約65年前に南極条約により領土権主張の凍結と平和的利用が掲げられ,その後,南極条約環境保護議定書で「平和及び科学に貢献する自然保護地域」と規定された南極条約地域は,地球上で最も人間活動から遠く,その直接的な影響が少ないことから,地球環境を把握するために重要な科学調査地とされている。一方,北極圏では温暖化による海氷の減少や永久凍土の融解,これに伴う生態系や先住民への影響,そして北極海航路や資源開発をめぐる利害交錯など,大国が存在し人間活動が活発な北極圏ならではの課題がある。2026年にはまた,第一次南極地域観測隊を乗せた「宗谷」が晴海港を出航して70周年を迎える。本特集では,温暖化への対応の全世界的な社会変革の緊急度が高まっている今,こうした極地環境と,極地からみる地球環境の今と未来について展望する。
目次
特集:極地の環境と極地からみる地球環境
- 日本の南極観測活動の歴史,現在と将来展望
渡邉研太郎・伊村 智(国立極地研究所)
- 南極地域の環境の保護に関する新たな動向と環境省の取組―観光による環境影響と南極条約環境保護議定書附属書Ⅵへの対応を中心に
桝 厚生・伊藤百合香・福濱有喜子(環境省)
- 地球温暖化時代における南極氷床と海洋の変動
青木 茂 (北海道大学低温科学研究所)
- 南極のアイスコアから見る過去の気候変動
東 久美子(国立極地研究所)
- 南極・昭和基地における環境保全に留意した設営業務
藤野博行(国立極地研究所)
- コラム 南極観測隊の食と組織論
渡貫淳子(南極シェフ/総合地球環境学研究所)
- 北極域の温暖化とその影響,そして研究活動
榎本浩之(国立極地研究所)
- 北極の環境保護と生物多様性保全の国際的枠組み
西本健太郎(東北大学大学院法学研究科)
- 北極域における環境問題と先住民の生活―カナダ・イヌイットを中心に
岸上伸啓(国立民族学博物館)
- 【特集総括 】極地の環境と極地からみる地球環境
「環境情報科学」編集委員
連載 環境政策の最前線
- 都市における地域脱炭素の実践と課題
川又孝太郎(千代田区)
投稿
- 研究論文 草木染の森林環境教育への活用可能性-染色材料の保存性に関する検討
石橋整司
その他
- 報告 第 25 回環境情報科学センター賞
- 2025 年定時総会決定事項のお知らせ
「環境情報科学」編集委員
- 大沼あゆみ 委員長,慶應義塾大学経済学部
- 荒金 恵太 復興庁
- 薗 巳晴 三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社
- 髙橋 若菜 宇都宮大学国際学部
- 高山 範理 国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所
- 藤稿亜矢子 東京女子大学現代教養学部
- 浜島 直子 環境省
- 平野勇二郎 国立研究開発法人 国立環境研究所
- 本田 智則 国立研究開発法人 産業技術総合研究所
- 横田 樹広 東京都市大学環境学部
- 柴田 裕希 東邦大学理学部
- 中野 牧子 名古屋大学環境学研究科
- 沼田 真也 東京都立大学都市環境科学研究科
- 岡渡邉研太郎 国立極地研究所(ゲストエディター)
連載「環境政策の最前線」担当 編集委員
- 相澤寛史 環境省
- 大川正人 環境省
- 岡島一徳 環境省
- 竹本明生 クロスジェネレーションズ株式会社
- 塚原沙智子 環境省
- 福島誠子 東北大学
バックナンバー
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