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『環境情報科学』最新号のご案内

『環境情報科学』55巻2号

【特集】消えゆく草原―多様な視点から過少利用を考える
B5版 138pp.
発行日:2026年7月31日
価格:3,300円(内消費税300円)

『環境情報科学』54巻4号

特集の概要
 草原は,気候,地形,土壌などの成立条件に加えて,大型草食獣や人間による撹乱で維持されることも多い特異な生態系である。現代において,自然撹乱および人為的管理による撹乱の減少などで,世界で急速に草原が減少している。本特集においては,特に後者の人為的な撹乱の減少,すなわち「過少利用」に着目し,消えゆく草原との関連性を論じる。
 日本においては,最終氷期に草原で繁栄していた草地性植物や昆虫が,その後の温暖・湿潤化による森林化で姿を消すはずだったが,歴史的に継続して人の手が加えられることで森林とならなかった草原が逃避地となり,そうした希少動植物が絶滅をまぬがれてきた地域がある。近年の遺伝子解析による研究では,日本の代表的な草地性植物のいくつかの種が,過去10 万年以上維持されてきたことがわかっている。このように,野焼き,刈取り,放牧などで維持されてきた日本の半自然草原は,現代において草地の利用価値が失われ,維持管理の知識や人手の不足などによって多くは森林に遷移するなどで消失し,100 年前に比して10 分の1 以下に減少してしまった。まさに,過少利用による絶滅危機が草原生態系と草地性動植物に起こっている。以上のような背景から,本特集では,草原の重要性を多角的視点で考察し,草原の生物多様性,人間の草原利用の歴史と現状,課題と対策などについて包括的に論じる。

目次

特集:消えゆく草原―多様な視点から過少利用を考える

  • 日本の草原保全はどういう問題なのか
     中静 透(東北大学)
  • 明治・大正・昭和における草原から森林への変遷について―主に旧版地形図の情報をもとに
     小椋純一(京都精華大学)
  • 日本における歴史の古い草原の分布・消失の動態―空間データ統合による長期変遷の可視化
     五十里翔吾(株式会社シンク・ネイチャー,琉球大学)・久保田康裕(株式会社シンク・ネイチャー)
  • 都市近郊の「空き地」として残存する草原の歴史の長さと生物多様性の関係性
     野田 顕(豊田市矢作川研究所)・西廣 淳(国立環境研究所気候変動適応センター)
  • 「古い草原」としての日本の半自然草原―この概念と保全上の緊急性
     丑丸敦史(神戸大学)
  • 草原と人と蝶の関係史―最終氷期から人新世まで
     宮下 直(東京大学)
  • 草原の歩んできた道と将来展望―生物文化多様性の視点から
     八巻一成 (森林総合研究所)
  • 人とともにある草原景観―過少利用時代における景観構造からみた保全・再生と継承
     町田怜子(東京農業大学)
  • 産業としての草原利用と今後の可能性
     金子 真(農研機構畜産研究部門)
  • 全国的な草原保全活動の概括―草原再生ネットワークの活動について
     高橋佳孝(阿蘇草原再生協議会,一般社団法人全国草原再生ネットワーク)
  • 阿蘇地域における草原維持の担い手および支え手構造の変容
     増井 太樹(公益財団法人阿蘇グリーンストック)
  • 草原を有する自治体へのアンケート調査からみる草原の維持管理を制限・促進する要因
     王 雨(横浜国立大学)・冨高まほろ・田中健太(筑波大学)・横田弘子・高橋佳孝(一般社団法人全国草原再生ネットワーク)・ 白川勝信(共創資産研究所)・佐々木雄大(横浜国立大学)
  • 環境行政と草原の関わり―政策展開の歴史と今後の展望
     則久雅司(環境省)
  • 【特集総括 】消えゆく草原―多様な視点から過少利用を考える
      「環境情報科学」編集委員

連載 環境政策の最前線

  • グリーンインフラ推進戦略 2030 の策定
      国土交通省 総合政策局 環境政策課

投稿

  • 研究論文 山間部樹林地“里山”の土地利用改変に伴う熱環境の変化-鉛直気象観測を援用した数理モデルによる評価―
     北田敏廣(豊橋技術科学大学)・岡村 聖(名古屋産業大学大学院)・村山浩二郎(トヨタ自動車株式会社)・瀬口 純(エヌエス環境株式会社)
  • 研究論文 環境NPOの収益構造の特徴と人材確保との関連-内閣府実態調査の二次分析から-
     藤田研二郎(法政大学)
  • 報告 ユネスコエコパークでの学校における生物多様性に関する教育の動向
     浅岡永理(麻布大学大学院)・小玉敏也(麻布大学)

2025 年度一般公開シンポジウム開催報告

2025 年度環境情報科学研究発表大会 企画セッション報告

「環境情報科学」編集委員

  • 大沼あゆみ  委員長,城西大学経済学部
  • 荒金 恵太  公益社団法人 2027年国際園芸博覧会協会
  • 柴田 裕希  立教大学環境学部
  • 薗  巳晴  三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社
  • 髙橋 若菜  宇都宮大学国際学部
  • 高山 範理  國學院大學観光まちづくり学科
  • 藤稿亜矢子  東京女子大学現代教養学部
  • 中野 牧子  名古屋大学環境学研究科
  • 浜島 直子  環境省
  • 平野勇二郎  国立研究開発法人 国立環境研究所
  • 本田 智則  国立研究開発法人 産業技術総合研究所
  • 沼田 真也  東京都立大学都市環境科学研究科
  • 横田 樹広  東京都市大学環境学部

連載「環境政策の最前線」担当 編集委員

  • 相澤寛史   環境省
  • 大川正人   環境省
  • 岡島一徳   環境省
  • 竹本明生   クロスジェネレーションズ株式会社
  • 塚原沙智子  環境省
  • 福島誠子   東北大学

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