人々は生活する中で食事や呼吸などを通じてさまざまな化学物質を体内に取り込んでいます。わが国では高度成長期に化学物質による人の健康被害である公害問題が社会問題となりました。主に1950年代~1970年代に住民への健康被害を引き起こした四大公害病(水俣病、新潟水俣病、イタイイタイ病、四日市ぜんそく)は、有機水銀やカドミウムによる水質汚染、二酸化硫黄による大気汚染が原因とされています。
公害問題については、法令による化学物質の排出規制などの取組が進められており、これらの原因物質の環境中の濃度は低下していますが、二度とこのような健康被害を出さないためにも、化学物質による人の健康への影響について研究が進められています。
官公庁や公的研究機関から業務を受託した経験を生かした、化学物質(大気汚染や水質汚染など)の人の健康への影響についての調査を行います。または疫学研究のサポートを行います。
文献調査による既存の疫学研究等に関する知見の整理から、疫学調査の調査計画の作成、実施、統計解析まで行います。
SASによる統計解析、GIS空間解析、大気汚染物質の濃度推計、アンケート調査
環境省の業務では全国約35~40市区など、川崎市の業務では市内の区を対象に、幼児や児童に対して呼吸器症状などに関する健康調査を実施しています。また、対象地域の大気汚染物質(NOxや光化学オキシダント、PM2.5など)の濃度を推計して、呼吸器症状と大気汚染物質の濃度に関するロジスティック回帰分析などを行っています。
赤ちゃんがお母さんのお腹にいる時から定期的に健康状態を確認させていただき、環境要因が子どもたちの成長・発達にどのような影響を与えるのかを明らかにする調査です。
環境情報科学センターはエコチル調査の企画立案を支援するとともに、進捗状況の評価、国際連携活動、成果の広報等に継続的に携わっています。
カドミウム環境汚染地域住民健康影響調査データの集計・解析を行い、専門委員会での助言を得て結果をとりまとめました。
慢性砒素中毒症に関する最新の知見の取りまとめや、砒素汚染地域住民の健康観察健診データの集計・解析を行い、専門委員会での助言を得て結果をとりまとめました。
一般社団法人環境情報科学センター 調査研究室
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