どうしたら涼しくなるの?
涼しい環境づくりのための4 つのポイント
私たちのまわりには暑さや涼しさに影響する4 つの熱環境要素(気温、湿度、気流、放射)があります。それらの熱環境要素ごとに涼しい環境をつくるためのポイントをまとめてみました。
A. 気温 ⇒ 下げる
室内であればエアコンを使います。屋外であれば、まち全体の気温を下げるのは簡単ではありませんが、ミストなどで自分がいる場所の気温を局所的に下げることで空気に放熱しやすくなります。
B. 湿度 ⇒ 下げる
室内であれば、エアコンの「ドライモード」を使います。また、調湿作用のある木材、紙などの建材を使って湿度を抑えることで、汗が蒸発しやすくなります。
C. 気流 ⇒ 利用する
気流を利用することで、空気に放熱しやすくなったり、汗が蒸発しやすくなります。扇風機、うちわなどが涼しいのは気流を利用しているためです。室内であれば、向かい合う2面の窓や高低差のある高窓と掃き出し口を開けると空気の入り口と出口ができ、気流が生じます。
D. 放射 ⇒ 受けない、利用する
日陰に入る、よしずを立てる、日傘を使うなど日射をさえぎる工夫が大切です。熱い道路を生垣などでさえぎると放射を受けにくくなります。また、日陰で打ち水すると、地面がよく冷えるので、皮ふから地面への放熱が進みます。
体感温度を下げよう!
気温とそれ以外の熱環境要素である湿度、気流、放射の効果も含めた総合的な暑さの指標を体感温度※といいます。たとえば、気温が1℃上がれば体感的にも1℃上がったと感じます。しかし、同時に湿度が10%下がれば、体感温度はほとんど変わりません。つまり、気温が下がらなくてもそのほかの熱環境要素によって、人は体感的に涼しく感じることができるのです。
A. 湿度が10%下がると体感温度は約1℃下がります。
【体験】エアコンで除湿してみよう!
B. 風速が秒速1メートル増えると体感温度は約3℃下がります。
【体験】扇風機に当たってみよう!
C. 日射を80%カットすると体感温度は約6℃下がります。
【体験】日傘をさしてみよう!
D. 日射を90%カットして、まわりが日陰の路面だと体感温度は約9℃下がります。
【体験】木陰に入ってみよう!
※体感温度(SET*)の計算条件
気温:30℃ 湿度:50% 風速:0.5m/s 日射:900W/㎡ 着衣:0.5clo 代謝:1.7met 路面温度:60℃
暑さ対策のポイント
体感温度を下げる暑さ対策技術はさまざまありますが、大きく4つに分類されます。 対策場所に適した技術を組み合わせて設置することで、効果的な暑さ対策が実現します。
上からの日射しを遮る|日よけ・樹木・再帰反射フィルムなど
ヨコからの熱を抑える|クールルーバー・壁面緑化など
下からの熱を抑える|打ち水・保水性ブロックなど
空気・体を冷やす|ミスト・冷却ベンチなど
