[pp.133-138]
千頭 聡 (国際連合地域開発センター/日本福祉大学)
要旨:
メコン川流域に位置するラオスは陸封・多民族国家であり,経済的な発展は遅れてきたが,インドシナ半島の国際的開発構想が具体化するにつれ,水資源開発の面で重要視されるようになった。ラオス北部では伝統的な資源管理システムが崩れ,焼畑等により森林資源の劣化が著しい。本論文では,焼畑地域における環境資源の利用の実態とその問題点を明らかにするとともに,焼畑農民の生活実態を解析している。その結果に基づき,持続可能な環境資源利用システムを構築していくためには,環境資源の利用・生活の質的向上・生産システムの転換・コミュニティの活性化を含むボトムアップ型の総合的な取り組みが重要なことを示している。
キーワード:
ラオス,焼畑,環境資源,森林,地域発展