[pp.127-132]
浅川昭一郎,愛甲 哲也 (北海道大学)
要旨:
近年,著しく増加している米国におけるランド・トラストがどのように農地保全を行っているかを質問紙調査等によって明らかにした。ランド・トラストは規模や対象地域の広さはさまざまであるが,都市的開発の圧力を受けている地域に多く立地していた。因子分析により農地保全の理由として環境保全性,景観・文化性,農業活力性の因子がみいだされ,これらの因子得点の正負によりランド・トラストを分類することができた。また,保全手法としては開発権の獲得が主要なものとなっていることがわかった。さらに,限定的開発による保全事例を検討し,行政や他のランド・トラスト等とのパートナーシップの重要性や今後の課題などが示された。
キーワード:
ランド・トラスト,農地,保全,米国,開発権,限定的開発