[pp.75-78]
森貞 和仁 (森林総合研究所)
要旨:
御岳岩屑流堆積物の表層に含まれる非晶質成分量を定期的に分析して,堆積後10年間の土壌非晶質成分の変化を検討した。その結果,酸性シュウ酸塩可溶のアルミニウム,ディチオナイト可溶の鉄,アルミニウム量に大きな変化はみられなかったが,酸性シュウ酸塩可溶鉄の量が10年間のうちに増減しており,非晶質鉄の生成・流出が繰り返されているとみられた。非晶質成分の動きからみた土壌生成としては,10年という時間経過は土壌生成の方向性を示すまでには至っていなかった。
キーワード:
酸性シュウ酸塩可溶鉄,ディチオナイト可溶鉄,土壌生成,時系列変化