[pp.53-56]
糸長 浩司 (日本大学)
要旨:
農村地域住民のもつ景観意識や,自然やみどりの意識とその管理意識を事例的に分析する。事例地は山形県飯豊町であり,現在進めている「みどりのまちづくり」活動の中で実施したアンケートやワークショップの成果をもとに分析する。原風景は遠景の飯豊山,中景・近景の秋の水田風景であり,山間,平地部等で地区的空間特性での相違もみられる。景観観察態度はブナ帯地域特有の季節変化が大きく影響し,自然感にも反映される。「自然」は山や川の大自然をイメージし,「みどり」は身近な農地や緑地をイメージする。屋敷林や水路,ため池,山林に対する管理意識はある程度みられるが,山の管理については意識の低下がある。
キーワード:
農村景観,自然感,みどり感,原風景,屋敷林,管理