[pp.47-52]
澤木 昌典 (姫路工業大学)
要旨:
阪神間縁辺部の広域的な緑地に隣接する6つの住宅地の住民にアンケート調査を実施し,自宅および周辺での環境共生型の生活態度についての志向を明らかにした上で,その傾向から住民を<実践派><積極派><消極派><拒絶派>の4つに分類した。この分類ごとの特性の考察や,生物との共生,緑地保全に対する意識の分析から,環境共生への取り組みに前向きな人が多いことや,実践派を中心に生物との共生や自然林としての保全への賛同が多く,環境共生生活志向の強さが地域の環境保全意識の高まりにつながる傾向が明らかになった。また,実践派は現状では私的な緑の保全意識が強いことから,こうした意識をより公的で広範な緑地へと誘導し,地域全般の環境保全に向けることの必要性を論じた。
キーワード:
環境共生,住民意識,住宅地開発,緑地保全,アーバンフリンジ