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藤崎健一郎,勝野 武彦,高橋理喜男,葉山 嘉一,船越 洋二 (日本大学)
要旨:
神奈川県藤沢市内の大学構内にある,南北の幅が約50mで東西に長い樹林帯の内外において,平成5年(1993年)6,8,9月に計4回,気温,湿度,黒球温度,照度,地表面温度,樹木の幹および葉の表面温度,風速等の微気象因子を計測し,樹林外と樹林内における相違および林縁からの距離による変化について分析した。その結果,最も気温の高い場所(樹林外)と低い場所(樹林内)の気温差はのべ4日の調査日の平均で1.7°Cであった。一方黒球温度では同様の条件で12.5°Cの差があった。また,黒球温度と気温の差は照度との相関が高く,照度が1キロルクス増すごとに黒球温度と気温の差はおよそ1.49°C増す計算となった。樹林内外の差に比べて樹林内での変化は小さく,今回の調査対象範囲内では林縁からの距離および樹林構造による影響は小さかった。
キーワード:
微気象,気温,黒球温度,照度,湿度,樹林