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奥村 充司 (福井工業高等専門学校)
要旨:
水田から河川中に放出された農薬が水質および底質にどのように分配されるかについて,使用自粛となった水田除草剤CNPを対象に水生昆虫を用いたモニタリング調査を行った。本研究では,Thamnn(1989)のモデルをもとに,水質値を反映するものとして呼吸による農薬の生物濃縮モデル,底質値を反映するものとして食餌による農薬の生物濃縮モデルを用いて解析した。その結果,従来のCNP汚染レベルは水質汚染を反映しており,今後はより低いレベルの底質汚染を監視する手法として,水生昆虫によるモニタリングが有効であることを示した。
キーワード:
農薬,クロロニトロフェン,生物濃縮モデル,水生昆虫,生物モニタリング