[pp.323-328]
堺 正年・坂本 麻衣子・酒井 彰 ((株)オオバ/東京大学/流通科学大学 )
要旨:
近年,世界各地で先進国やNGOが開発途上国の貧困削減に対して開発援助として技術導入を盛んに行っている一方で,導入された技術が受容されていないケースも多く存在している。そこで,本研究では導入されたコミュニティ型水供給設備が受容されるケースと受容されないケースが混在するところを対象事例とし,開発援助が受容される上で必要であると言われているリーダーの存在の観点からコミュニティ型水供給設備が受容されていない要因を明らかとする。分析の結果,受容されていない要因はリーダーの存在ではなく,ソーシャルキャピタルである可能性が高いことが明らかとなった。
キーワード:
国際開発援助、飲料水、コミュニティ型水供給設備、社会ネットワーク分析、ソーシャルキャピタル