[pp.311-316]
淺野 悟史・西前 出 (京都大学)
要旨:
本研究の目的は,ラオス南部において世帯と土地の情報から2項ロジットモデルを用いて土地利用権移転の規定要因を明らかにすることである。分析の結果,積極的な土地利用権の移転には家族構成や土地の条件が影響していること,外部からの圧力による土地利用権の移転には民族や職業の違いが代償の支払いの有無に影響していることが示唆された。土地利用権の移転は土地利用の変化に深く関わっており,土地利用の安定化のためには,各世帯に必要十分な用地を与え,さらにその利用権を確保できるしくみづくりが必要であると考えられる。
キーワード:
2項ロジットモデル,土地利用権,ラオス人民民主共和国