[pp.305-310]
ポンウィチアン パイラック・河野 英一・ロイ キンシュック・笹田 勝寛 (Land Development Department, Thailand/日本大学)
要旨:
タイ国における塩類土壌の総面積は2.302×106haにも及び、内陸部においてこの土壌の管理がしばしば問題になっている。軽度・中度の塩類土壌での稲作栽培においては適正な農法的管理が特徴的に処方されており、マメ科緑肥作物のSesbania rostrataが塩類土壌における天水田稲作では有用な対策として認められてきている。しかし、強度の塩類土壌では、高額の資金投下と作付体系の変革が必要とされる。塩性植物はそのような地域の緑化に役立ち、環境改善に寄与できると考えられる。さらに、潜在的な塩源地域である休閑畑での森林再生は、塩類制御の補助的な方法ではあるが、ある程度地下水を低下させ、低地への流出量を減少させることが認められている。
キーワード:
塩類土壌、適正管理、緑肥、緑化、森林再生