[pp.295-300]
上條 哲也 ((独)国際協力機構)
要旨:
環境アセスメントの代替案検討手法として、主成分分析の有効性の検証を進めることが課題であった。5事例研究を対象に、階層分析法(AHP)と加重総和法及び主成分分析の総合評価結果を比較した。その結果、代替案と評価基準及び評点が適正に設定されれば、AHPや加重総和法と主成分分析結果が一致し、最適案選定理由の明瞭さ、恣意性の低さ、比較検討結果の検証、手法の簡易さの点で主成分分析の有効性が示唆された。最後に、主成分分析の特徴は、代替案の得失をわかりやすく説明できることであり、利害関係者の参加を通じてより良い意思決定が期待されることを指摘した。
キーワード:
代替案比較、主成分分析、階層分析法、加重総和法、事例研究