[pp.271-276]
山下 良平 (石川県立大学)
要旨:
本研究では,企業の生物多様性保全活動の実態を圏域レベルで調査し,得られた結果を元にカテゴライズした企業群について,活動開始の障壁や継続条件の認識,及び活動不参加の要因を検討することを課題とした。調査対象は,北陸4県を中心に事業所を置く企業とし,企業の実態を調べるためのアンケート調査を行った。その結果,企業が保全活動に取り組むには,まず社内の理解を進め,先行企業の情報等を参照しつつ,地域とのマッチングやノウハウ指導面で行政の支援が不可欠であることが示唆された。そして,その活動の持続性を担保する評価機構については,現状では企業外部からの積極的な関与が必要であることが分かった。
キーワード:
生物多様性保全活動,企業,参加・定着条件,里山