[pp.259-264]
森本 太一・鍋島 美奈子・中尾 正喜・西岡 真稔 (大阪市立大学)
要旨:
大阪府交野市私市では局所的な夜間冷気流が観測される。本研究では気象データを統計的に分析することにより,夜間冷気流と気象要素の関係性を明らかにし,夜間冷気流の流入の有無を判別することを目的とする。交野市消防本部の10分間隔気象データを用いて交野市市街地への冷気流の流入パターンを6パターンに分類した。また交野市消防本部に加えて,大阪管区気象台,大阪港波浪観測塔の気象データを活用し,7つのパラメータを設定し比較検討を行なった結果,冷気流の流入の有無には「6:00~11:50の平均風速」「11:00~16:50の積算気温差」の2項目の関係性が高いことを明らかにした。これらのパラメータを用いて判別分析を行い,冷気流の有無を約75%判別することが可能であることを示した。
キーワード:
ヒートアイランド,冷気流,海陸風,マハラノビスの距離