[pp.193-198]
羽生 一予・田村 憲司・森澤 建行・森 英俊 (筑波大学/瑞風会森澤病院)
要旨:
「自然環境要素と人の生理・心理的効果」に関する研究データが蓄積されている。しかしながら,土壌が人にもたらす効果に関する研究は乏しい。そこで「土壌観察」の一端である「泥ダンゴ作り」が人に与える影響として指標の検討を行った。実験は,桐生自然観察の森の来園者7名(平均年齢60.2±3.6歳)を被験者とし,血圧,心拍数,心拍変動,唾液アミラーゼ活性,POMS(短縮版),VAS法を観察の前後に測定した。その結果, VASの「癒されない」,「リラックスしない」,「面白くない」,「楽しくない」,「緊張する」で値が有意に低下したことから,VASが土壌観察の効果判定に有用な指標となりうると考えられた。その他の指標については,更なる検討が必要と考えられた。
キーワード:
土壌観察,指標,生理的効果,心理的効果,VAS