[pp.133-138]
小林 貴 ・坂本 将吾 (中央大学/運輸政策研究機構 運輸政策研究所)
要旨:
本稿では,踏切の一時停止廃止によるCO2排出量の削減効果を検討するために,一時停止,徐行,踏切の遮断の条件を変えた4つのケースについて踏切条件(交通量と列車間隔)を変化させた場合のCO2排出量の削減率を算出し,次の2点を明らかにした。第1に,現状の排出量と比べて,一時停止無・徐行有では,交通量300台/h以上で列車間隔3分未満の踏切で10%以上の削減率が見込める。一時停止無・徐行無では,全ての条件で20%以上の削減率が見込め,最大で67%以上の削減率が見込める。第2に,一時停止廃止が有効となるのは,列車間隔3分以上の踏切で一時停止無・徐行無を行った場合である。この場合,立体交差化した場合の削減率の80%以上削減できる可能性を示した。
キーワード:
鉄道踏切一時停止廃止,自動車CO2排出量,自動車走行モード