[pp.109-114]
吉川 直樹・天野 耕二・島田 幸司 (立命館大学)
要旨:
病院・診療所向けのリネンサプライサービスを対象として,ライフサイクル温室効果ガス排出量の推計を行った。標準的に用いられる8品目を対象に,病床1床1年間の供給を評価単位として算出した。その結果,シーツ等のカバー類は洗濯頻度が高く,洗濯と集配送で排出量の60%~80%を占めたが,掛布団等の本体類では,製品の製造由来の排出量が使用・維持管理段階を上回った。温湯による消毒を行うことなどの影響で,一般的なクリーニングや家庭洗濯と比較して,洗濯工程の排出量が高くなった。環境負荷削減に向け,本体類では製品調達,カバー類では洗濯工程のエネルギーへの対策の必要性が示唆された。
キーワード:
リネンサプライサービス,寝具,カーボンフットプリント,ライフサイクル分析