[pp.91-96]
栗島 英明・小澤 健史・菊池 康紀 (芝浦工業大学/東京大学)
要旨:
再生可能エネルギーはその特性上,地域レベルでの検討が必要である。また,再生可能エネルギーは季節・時間によって供給量が変動し,需要量も同様に変動する。そこで本稿では,埼玉県ときがわ町を事例に,再生可能エネルギー供給と家庭部門の電力・熱需要の季節・時間変化,将来の人口変動を考慮し,2030 年の導入ポテンシャルと需給バランスを検討した。その結果,再生可能エネルギーは,戸建住宅での太陽エネルギー利用が進むことで,電力は総需要量を上回り,熱量も総需要量の約71%を供給するポテンシャルがあると推定された。しかしながら,季節・時間別に見ると,需要量を大きく下回る場合があることが明らかになった。
キーワード:
再生可能エネルギー,需給構造,季節変動,時間変動,ときがわ町