[pp.85-90]
杉本 賢二・奥岡 桂次郎・谷川 寛樹 (名古屋大学)
要旨:
都市の持続的な発展を維持するためには,人間活動で使用される資源の量とその挙動を把握することが重要である。しかし,発展途上国では統計データの入手可能性や精度において課題があるため,世界全体で適用可能なデータが必要となる。本研究では,愛知県を対象として,人工衛星による観測値であるPALSARデータと,実際の建築物分布とを比較して両者の相関性について検証を行った。その結果,衛星画像の分解能よりも大きいサイズで集計することで固有のノイズが軽減され,相関係数が高くなることが示された。また,土地被覆データを用いて高さのある地物である樹木が存在している森林域を除外することにより,さらに強い相関が得られることが明らかとなった。
キーワード:
衛星画像,建築物面積,PALSAR,マテリアルストック,相関係数