[pp.61-66]
森本 英嗣 (東京理科大学)
要旨:
本研究は,次世代バイオマスの一つであるヤナギの生産が,メタン発酵消化液の更なる利用方法と耕作放棄地の有効活用方法に繋がることを示した。エネルギー収支比やGHG排出の環境影響評価の点から,ヤナギの生産・利用を見据えたシナリオケースと現状の比較分析を行い,生産効率性の高さならびに資源作物としての十分な持続性を定量的に示した。さらに環境影響だけでなく生産活動にも着目し,従来の営農活動(水稲栽培)との作業工程を比較した。その結果,水稲栽培とヤナギ生産の繁閑期が重なることはなく労力の競合回避が図れることを明らかにした。
キーワード:
資源作物,ヤナギ,耕作放棄地,メタン発酵消化液,温室効果ガス