[pp.33-36]
芦澤 航・大澤 啓志・勝野 武彦 (日本大学)
要旨:
栃木県の喜連川丘陵南部に位置する谷戸(谷津)を対象として,ツチガエルRana rugosaの繁殖期である初夏期~夏期に産卵状況調査を行なった。計335個の卵塊が確認され,承水路と水田での確認卵塊が多く,水路での確認は全確認卵塊数の5%未満であった。水辺要素別の卵塊密度より,本種は承水路を最も選好していることが明らかになり,それには流速の差が最も影響していた。一方,水田での産卵も比較的多く確認されており,必ずしも止水域を産卵場所として避けている訳ではないことも明らかにされた。
キーワード:
ツチガエル,承水路,卵塊密度,流速