[pp.21-26]
土光 智子・陳 文波 (横浜国立大学/慶應義塾大学)
要旨:
生物多様性インフォマティクス手法提示と富士山北麓の哺乳類相の生物多様性評価を行った。アカマツ植林帯と混合林の森林地域にて,小型~大型哺乳類を対象とし2012年9月~11月に15台の自動撮影装置を設置した。種の豊富さ,多様性,均等性,優占度を計算した。計4,271枚の哺乳類撮影画像から,ヒトを含む14種の哺乳類が識別できた。富士北麓における哺乳類相は,他地域より生物多様性が高かった。従来手法と比べ、本手法は人的資源と時間を節約可能で、生物多様性指標の定量化に効果があった。シカ優占群集,ヒト優占群集,無優占群集の3つの群集が存在していた。無優占群集は高い生物多様性を維持しており,優先的に保全していくべきである。
キーワード:
生物多様性指標, カメラトラップ,北富士地域,哺乳類,富士山,種組成