[pp.11-16]
上田 萌子・上甫木 昭春 (兵庫県立人と自然の博物館/大阪府立大学)
要旨:
本研究では,暖温帯におけるハマボウ群集を含む塩生植物群落全体の分布と空間特性や周辺植生との関係を調査した。その結果,一年草・二年草群落から多年草群落,木本群落までが分布するタイプ,草本群落のみが分布するタイプ,多年草群落と木本群落が分布するタイプ,主として木本群落が多く分布するタイプなど,さまざまな分布タイプが捉えられた。塩生植物群落の分布には,立地環境だけでなく,群落の規模や河川改修などの開発といった人為の影響,地域で行われている保全活動,サイトレベルの詳細な微地形などの条件が影響を与えていると推察される。
キーワード:
塩生植物群落,ハマボウ,塩性湿地,クラスター解析