[pp.369-374]
堤田 成政,西前 出,小林 愼太郎 (京都大学)
要旨:
モンゴル国の首都ウランバートルでは,過放牧や森林減少により植生量の低下,植生構成種の変化が進行している。そのような地域を把握するため,2000 年から2010 年の時系列のMODIS 衛星画像データを用い,正規化植生指数から植生量,展葉期の時系列変化を算出し,植生劣化,植生変化を推定した。結果,過放牧による草原劣化や森林伐採が報告されている地域を含む527.25km2で植生劣化が推定された。一方,森林の周縁部など森林が伐採された地域を含む62.75km2で展葉期の遅延傾向がみられ,植生変化が推定された。植生量の時系列変化からは過放牧,森林伐採による植生劣化が推定された一方,展葉期の時系列変化からは,森林の植生変化のみが推定された。
キーワード:
正規化植生指数,展葉期,過放牧,森林減少,ウランバートル