[pp.339-344]
小栗 太郎,増山 哲男,瀬野 直人,三瓶 輝,木下 瑞夫 (アジア航測(株),パシフィックコンサルタンツ(株),和建技術(株),明星大学)
要旨:
埼玉県において行われた市街化区域の逆線引きにより生み出された暫定市街化調整区域は,一度は市街化区域に指定されながらも,樹林地,耕作地等の植生を多く有する。暫定市街化調整区域は,その立地特性から市街地開発が想定される区域であるが,開発次第では現存する植生を活用することによって都市中心部付近に位置しながらも一定の生態系を保全することが可能な区域と考えられる。本研究は,このような視点に立って,所沢市南東部に存する暫定市街化調整区域における過去半世紀の植生変遷を分析するとともに,これら区域と周辺の植生を連結した今後の生態系保全のあり方について考察する。
キーワード:
生態系保全,植生,逆線引き