[pp.329-334]
大平 和弘,浦出 俊和,上甫木 昭春 (大阪府立大学)
要旨:
本研究は,大阪湾東岸域の砂浜に生息するウミホタルを対象とし,飼育試験と現地調査からHSI(生息地適性指数)モデルを構築することを目的とした。塩分濃度が0.5~3.0%の6 段階の試験区を設定した飼育試験の結果,半数影響濃度(EC50)が1.57%と算出された。また,溶存酸素量が1.0~6.0mg/L以上の6 段階の試験区を設定した飼育試験の結果,半数影響量(ED50)が3.70mg/L と算出された。さらに,大阪府南部における調査データを回帰樹木により解析した結果,含泥率の不適値が1.280%以上であることが求められた。これらの結果をもとに構築されたウミホタルのHSI モデルは,大阪湾東岸域の砂浜におけるウミホタルの個体数を73.2%予測できることが示された。
キーワード:
ウミホタル,HSI モデル,飼育試験,砂浜,内湾