[pp.307-312]
太田 貴大,林 希一郎,伊東 英幸 (名古屋大学,日本大学)
要旨:
生態系サービスに対する主観的価値を把握し政策に反映させることが求められている。しかし,一般住民が生態系サービスに対する主観的価値を決定する際,どのような要因を考慮するのか不明である。本研究では,愛知県一色干潟の2 つの文化サービスを対象に,866 人の一般住民が主観的な価値を決定した際に考慮した要因をアンケート自由回答により特定した。その結果「精神的なやすらぎやリラックスする働き」で40,「環境教育としての利用」で28 の主観的価値決定要因が見出され,一般住民は全体として多様な情報を考慮し文化サービスの主観的価値を決定していることが明らかとなった。
キーワード:
生態系サービス,文化サービス,主観的価値決定要因,環境教育,精神的癒し,干潟