[pp.243-248]
熊井 大,吉田 好邦,松橋 隆治 ((公財)交通エコロジー・モビリティ財団,東京大学)
要旨:
輸送事業者の燃料消費原単位(以下「原単位」と記す)とCO2排出量の特性を把握するため,まずは省エネ法(2006 年度改正)で得られた営業用貨物自動車のデータについてクラスター分析を行い,複数のクラスターに分割した。分割されたクラスターにおける指標の平均値から営業用貨物自動車全体の特性を把握し,さらに各クラスターごとで回帰分析を行い,各クラスターごとの特性も把握した。把握した特性を利用して,輸送事業者の温暖化対策の評価を行うことが可能であるため,自営転換と車両効率の改善に関する政策について着目し,CO2排出削減ポテンシャルを省エネ法対象の輸送事業者だけではなく,国内全体の波及効果についても評価することで,両政策の有効性を検証した。
キーワード:
輸送事業者,クラスター分析,回帰分析,自営転換,車両効率,CO2排出削減ポテンシャル