[pp.219-224]
皮 玲,中根 周歩 (広島大学)
要旨:
屋上を竹炭埋設した軽量・薄層土壌システムで,最上階(8階)のべランダを同じく鉢で緑化し,温度,熱流を,またベランダに面する部屋の室温を非緑化階(4階)とも,通年測定した。緑化した屋上土壌中ではほぼ熱の流出入が遮断され,温度の日変化は僅かであった。緑化したベランダでは夏季の日中の温度上昇を最高8°C,冬季の夜間の冷却を3~4°C抑制した。その結果,部屋の温度は夏季日中で2~3°C,冬季の夜間は2°C緩和された。春と秋季は緑化がベランダや部屋の日中温度の上昇を抑制した。電力消費量を,エアコン使用の少ない5月を基準として,両階の各月の比率をもとに,その較差を求めたところ,緑化による節電は年間量で約15%となった。
キーワード:
ビル緑化,温度・熱流,消費電力