[pp.213-218]
穴澤 活郎,有馬 一成 (東京大学,鹿児島大学)
要旨:
東北地方太平洋沖地震に伴う津波浸水域において,滞留水と津波堆積物の採取と化学分析を実施した。滞留水中の溶存成分の濃縮係数(EF)や混合比の解析により,津波の到達範囲や津波による環境への影響を定量的に把握することができた。水田のような保水性の高い箇所では,高塩分状態が数ヶ月間以上持続すると試算された。滞留水や土壌の重金属類の濃度は,重金属の非汚染地域と同程度以下であった。
キーワード:
東北地方太平洋沖地震,津波,化学成分,重金属