[pp.195-200]
長谷 隆仁,渡辺 洋一,河村 清史 (埼玉県環境科学国際センター,埼玉大学)
要旨:
水分の多い家畜排泄物の堆肥化には,稲わらなどの副資材の混合による水分調整が必要とされ,堆肥化施設において,副資材の調達が問題とされる場合もある。しかしながら,既往の研究では,家畜排泄物の処理の最適化の問題では,副資材について考慮されることはなかった。そこで,本研究では,家畜排泄物の発生量,副資材の発生量や堆肥の需要分布を推計するとともに,堆肥化に必要な副資材量をどの地域から調達すべきかを推計する最適化モデルを開発した。埼玉県を対象にして解析を行ったところ,県北東部を中心として,すき込み分の副資材利用を図ることと,輸送範囲が約20 km 以上での県西部へのこれの供給が需給バランス上有効であると推測された。
キーワード:
堆肥化,副資材,調達最適化