[pp.113-118]
渡辺 綱男,中山 隆治,横関 隆登,下村 彰男 (環境省,東京大学)
要旨:
多様な主体の参加による持続的,自律的な自然再生活動を促進するための方法論構築を念頭に置き,全国の先駆けで行政が主導したケースと位置づけられた釧路湿原自然再生事業を事例として,多様な主体の参加を促してきた行政施策と参加の動向との関係について考察した。その結果,自然再生推進法に基づく協議会の枠組みが多様な主体の検討の場への参加を促すことを確認するとともに,協議会以外に自由で自主的な参加の仕組みを設けることで地域の「産」や「民」の参加の幅が広がること,農林業関係等の利害関係者の自主的取組を促進するためには主体間のマッチングや共同企画のコーディネート等の施策が必要と考えられることなどが明らかとなった。
キーワード:
自然再生,釧路湿原,協議会,市民参加,利害関係者