[pp.49-54]
高橋 ゆかり,小林 剛,亀屋 隆志,上田 裕之 (横浜国立大学)
要旨:
汚染土壌の溶出試験において,土壌のpH が変化した場合の溶出量の変化を,吸着等温式を用いて解析した。土壌pH の変化による溶出量の変化の割合は,土壌の種類によらず,有害無機汚染物質の種類によることが分かった。土壌pH が1 低下した場合,カドミウムの溶出量は6 倍程度,鉛の溶出量は約10倍程度増加すると予測され,鉛は土壌pH の変化の影響を受けやすいことが予測された。また,溶出試験時に溶出液のpH は土壌pH の影響を受けることが確認されたため,溶出試験後に検液のpH を測定しておくことは,土壌の汚染評価や溶出試験の精度管理や精度向上のために重要であるという,公定法改善のための提案ができた。
キーワード:
土壌汚染評価,溶出試験,pH,有害無機汚染物質,吸着等温線