[pp.31-36]
蔡 佩宜,佐藤 真行,篭橋 一輝,植田 和弘 (京都大学,南山大学)
要旨:
1990 年代から,ダム開発などの公共事業をめぐって日本各地で対立が生じている。複合的な影響をもたらしうる公共事業の是非を検討する際には,環境への影響等を含めて多元的に評価することが重要となる。また,水資源管理計画においても,河川の利用,人々の生活の安全,そして生態系との共生を実現することを目指す総合的な視点も重要である。本研究では,社会的多基準評価(SMCE)を用いて地域住民の社会的視点を分析することで,合意形成やよりよい意思決定につなげることを目的とする。本研究では,矢作川と豊川を事例として,評価対象地の住民がもつ河川計画の代替案に対する選好を明らかにし,代替案の序列を求めた。
キーワード:
水管理,総合的評価,住民参加,社会的多基準評価(SMCE)