[pp.25-30]
上條 哲也 ((独)国際協力機構)
要旨:
国際協力機構(JICA)は,2004年4月に環境社会配慮ガイドラインを施行し,ゼロ・オプションを含む代替案の比較検討を行ってきた。しかし,代替案の比較検討には課題が指摘されている。日本と海外及びJICAの事例を分析対象とし,現状と課題の整理を行い,主成分分析による代替案の比較検討を提案し検証した。考察の結果,主成分分析の合理性と実務性,ゼロ・オプション検討の必要性,代替案と評価項目及び評点の適切な設定,代替案の比較を通じた緩和策の検討を指摘した。最後に,代替案の比較検討を通じた緩和策の検討が,関連情報と専門家が不足する途上国の実情に沿っていることを強調した。
キーワード:
代替案,主成分分析,ゼロ・オプション,緩和策,国際協力