[pp.7-12]
高島 太郎,中島 敦司,山田 宏之 (静岡県立大学,和歌山大学,大阪府立大学)
要旨:
本研究は,CVM 手法における評価額成立と被験者の保全意識の関係を明らかにすることを目的に,中山間地域の住民に対しインタビュー調査を行った。その結果,地域住民は調査対象地である和歌山県古座川町の自然環境に対して年間2112~3996 円の支払意思額を示すことが明らかとなった。また,被験者の地域への居住歴から環境保全意識を分析したところ,町外に居住歴のある住民は,自然環境の活用に対して高い価値を見いだす傾向がみられた。これに対し,町外に居住歴のない住民は,人為の排除によって自然を保護することが適切だと考える傾向がみられた。したがって,被験者のプロフィールの違いが自然環境の保全意識に対して異なる方向性を示すと考えられた。
キーワード:
CVM,保全意識,自然環境,中山間地域,居住地域