[pp.419-424]
孔 明亮,張 清海,張 安,章 俊華,三谷 徹 (千葉大学ほか)
要旨:
本研究では,「増広重慶地興全図」と資料調査に基づいて,重慶市開港初期における沿岸空間の城門・埠頭・建築を研究対象とし,規模・建物の向き・分布・数量・類型および地形を整理し,その特徴の考察を行った。結果として以下のことが明らかとなった。開港初期,重慶市沿岸空間は,埠頭・寺・城門による三つの特徴的空間の階層性を持つものであった;埠頭,寺,城門は一直線上に配置を割ることによって,沿岸空間に強い全体性を作り出していた;開港初期,社会思想文化方面について,重慶市沿岸空間はこの3層構成によって,軍事,風水,宗教などの特徴を表現していた。
キーワード:
沿岸空間,城門,埠頭,建築,構成,特徴