[pp.371-376]
尾沼 広基,藤井 秀道,馬奈木 俊介 (東北大学,(財)地球環境戦略機関)
要旨:
本研究では米国,日本,中国,ドイツの鉄鋼業と機械製造業を対象にCO2排出量及び付加価値当たりのCO2排出量の要因分析を行った。分析方法にはlogarithm mean Divisia index を適用し,1995年から2005年にかけて各指標の変化要因を国別業種別に比較した。分析結果より,CO2排出量の減少はエネルギー消費原単位の改善が主な要因であるが,米国鉄鋼業及びドイツの鉄鋼業と機械製造業では炭素排出原単位の改善も貢献していることがわかった。また,中国ではCO2排出量の絶対量は増加しているが,付加価値当たりのCO2排出量は半減しており,その主な要因はエネルギー利用効率の改善であることが明らかとなった。
キーワード:
要因分析,環境効率,CO2排出量