[pp.311-316]
竹本 明生,竹本 和彦 (東京大学)
要旨:
途上国に再生可能エネルギーを普及するための枠組み構築に資するために,水力,風力・太陽光,バイオマスの発電量に対する,クリーン開発メカニズム(CDM)及び政府開発援助(ODA)により導入された発電量の割合を技術別,主要国・地域別に推計し,CDMとODAの再生可能エネルギー導入に対する役割を検証した。CDMは中国,インド,ブラジルを中心に,風力,バイオマス発電の加速的な普及に貢献しており,ODAはアフリカ等で貧困地域での電力アクセスの改善という視点から風力・太陽光発電の普及に貢献していることがわかった。今後,途上国は官民の資金の効果を分析し,先進国とも協力して再生可能エネルギーに関する適切な政策と資金の枠組みを構築する必要がある。
キーワード:
気候変動,開発途上国,再生可能エネルギー,CDM,ODA