[pp.305-310]
平野 勇二郎,孫 穎,酒井 広平,早渕 百合子,藤田 壮 ((独)国立環境研究所)
要旨:
本研究では民生業務部門のエネルギー消費原単位について,種々の資料を用いて詳細評価を行なった。具体的には,経年変化,地域熱供給,電力の一次換算係数,調査サンプル数の4 つの変動要因を取り上げ,これらがエネルギー消費原単位に及ぼす影響について検討した。個別建物の情報が利用できる建築設備技術者協会による竣工設備データ(ELPAC データ)を併用した。この分析の結果,これらの要因によりどの程度の差異が生じうるかは概ね明らかにすることができた。ただし,各資料のばらつきはこうした一般的な変動要因では説明できない大きさで生じているため,データを用いる際には各資料の信頼性についてそのつど検討することが必要である。
キーワード:
エネルギー消費原単位,変動要因,民生業務部門,文献調査