[pp.251-256]
堀川 真弘,津山 幾太郎,中尾 勝洋,石井 義朗,大藪 崇司,森本 幸裕 ((独)森林総合研究所,トヨタ自動車(株),兵庫県立大学,京都大学)
要旨:
大規模灌漑農業に起因するアラル海の縮小により大幅に干上がった大アラル旧湖底域では,砂嵐防止に向けた植林が検討されている。本研究では,2006 年の現地調査データに基づき,Terra/MODIS の多バンド画像を用いて旧湖底域の土地被覆分類を行い,塩生木本植物群落の分布規定要因について分類樹モデルを用いて解析した。その結果,分布域は旧湖底の24%を占め,それ以外の大半の地域は土壌塩分が高い裸地であった。分布規定要因は主に陸化年数であり,次いで旧湖岸線からの距離であった。また,陸化後15.5 年以上経過しシードソースから近い地域に分布する傾向が明らかとなった。一方,近年干上がった湖底には分布がみられず植林に厳しい条件であると推定される。
キーワード:
塩生木本植物群落,衛星リモートセンシング,教師付分類,分類樹モデル