[pp.191-196]
村松 晶子,井関 崇博,原科 幸彦 (東京工業大学,兵庫県立大学)
要旨:
参加者を無作為抽出により選定する会議は,公平に選定された参加者が討議を行って意見を表明する点で,従来の市民参加会議や世論調査とは異なるものである。無作為抽出の参加者には代替案評価型の会議が適しており,代替案を多面的に検討するプログラムが有効と考えられる。筆者らは沼津市環境基本計画策定の一環として実験的な会議を実施した。考案したプログラムによって,バランス良くかつ多様な論点が出されたかを検証することが本研究の目的である。討議の録音から発言を分析して評価した結果,多様な論点が出されたが,論点の掘り下げは難しく,意見への反論が出ることは少なかった。代替案絞り込みの討議にはさらなる工夫が必要であった。
キーワード:
無作為抽出,討議,代替案