[pp.179-184]
中村 安希,栗島 英明 ((公財)トトロのふるさと基金,芝浦工業大学)
要旨:
持続可能な社会構築のため,里山を保全し,豊かな自然環境と,人と自然の共生関係を守ることが重要である。里山が失われつつある現代では,市民の里山保全意識を高め,保全行動を促す環境教育が必要である。本研究では,環境教育としての過去の自然体験の効果に注目した。過去の自然体験が里山保全への意識と行動に及ぼす影響を明らかにするため,アンケート調査を実施し,自然体験と行動の関係を共分散構造分析により検証した。その結果,自然体験の蓄積には里山保全行動意欲を高める効果があること,特に,自然とのふれあい体験と農作業体験が直接有効であることがわかった。
キーワード:
自然体験,里山保全,環境配慮行動,環境意識,環境教育,共分散構造分析