[pp.95-100]
山本 清龍 (岩手大学)
要旨:
一部の山岳地では増える登山者に応じて,環境保全のための費用の負担のあり方が大きな問題となっている。そこで,本研究では,富士山を研究対象地として,環境保全協力金制度について取り上げ,1)協力金制度に対する登山者の賛否とその理由について把握,整理し,2)自然公園の利用実態を参照しつつ協力金制度導入上の論点と課題の整理を行うこと,の2 点を目的とした。その結果,(1)制度の趣旨,(2)公園の価値,(3)負担の方法など7 つの論点に整理できた。最後に,環境保全協力金制度を導入する際の課題を,富士山の利害関係者が議論すべき内容,方向性の視点によって3 つに整理した。
キーワード:
富士山,登山者,環境保全,協力金