[pp.85-88]
有賀 健高 ((財)地球環境戦略研究機関)
要旨:
アメリカでは大豆のエネルギー利用が注目されている。エネルギーのための大豆利用が増えれば,日本では大豆油に利用される遺伝子組み換え大豆(non-GMO)だけでなく,食物用として消費される非遺伝子組換え大豆の価格が高騰することが懸念される。本研究では共和分の手法を用いて非遺伝子組換え大豆及び遺伝子組み換えも含めた一般大豆がアメリカの石油及びエタノールといったエネルギーと価格の面で関係性を持つかどうかを検証した。研究では,non-GMO大豆及び一般大豆とアメリカのエネルギー価格の間には価格連動性がないことが明らかとなり,現状では,アメリカのエネルギー市場が日本の大豆市場に影響を与えていないということがわかった。
キーワード:
非遺伝子組換え大豆,一般大豆,原油,エタノール,共和分