[pp.399-404]
村上 和仁 (千葉工業大学)
要旨:
実験生態系であるマイクロコズムを用いてP/R比(生産量/呼吸量比)および生物個体数からみたMnの生態リスク評価を行った。その結果,1)Mnの生態無影響濃度(m-NOEC)は,マイクロコズム試験においては≦1.0mg/lと見積もられること,2)単一種生物試験と比較すると,共存系試験であるマイクロコズム試験の方がバラツキが小さく感度が高いものと考えられること,3)生物個体数からの評価とP/R比からの評価は整合性があり,マイクロコズムを活用したP/R比からの生態リスク評価は有効な手段となること,4)単一種の試験の結果に対しては安全係数を掛けてNOECは求められるが,マイクロコズム無影響濃度(m-NOEC)の算出法については,更に検討する必要があることが示された。
キーワード:
マイクロコズム,Mn,P/R比,生態リスク評価,m-NOEC